車窓を流れる雨粒のように
〔太陽side〕

寿司屋を出て海岸に着くと、月は貝殻を拾い始めた。

月の足跡を見ていると、とても小さいことに気付いて、やってることも足の大きさも小学生みたいだなと思って、少しおかしくなった。

海岸を出ると、月が食べたいと言っていた焼肉を食べに行った。

月は焼くばかりで、全然食べようとしないので、食べないの?と聞くと猫舌だから冷ましてるのと言われた。

海岸でのことといい、本当に月は子どもみたいだなと思った。

焼肉屋を出ると、月が夜景を見に行きたいと言うので、昼に海岸から見た大きな橋を見渡すことのできる展望台へ向かった。

展望台に着くと、ライトアップされた大きな橋が見えた。

月は嬉しそうにそれを見ていた。

そして俺は、月が好きだということに気づいた。

告白したかったけど、月が帰る?と言ったので帰ることになってしまった。

サンダルでバランスが取りにくいのか、手を広げながらゆっくり階段を下る月の手を握ることもできなかった。
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