七夕までの恋のカウントダウン~男の子、拾っちゃいました~
『琉聖を泊めてくださってる貧乏人へ』
何よ、貧乏人呼ばわりなんてっ!!
でも、そんなことよりも"琉聖"と呼んでるこの人は一体…。
私は再び、手紙に目を落とす。
『私、遥香っていうの。私は何者なのかってさぞかし、気になるでしょ。私は、琉聖の婚約者なの。ついでに恋人であるわ』
はるか…、琉聖さんが出会ったときに寝言で名前。
そして、婚約者で恋人………。
私は、胸がチクチクして、毒に犯されたみたいに痛くて、部屋に閉じ籠る。
そうすれば、涙が目からポタポタと落ちる。
泣いてるから視界がボヤけるけど、また手紙を見る。
『だから、琉聖と離れてくんないかしら。離れないとどんな手を使ってでも離すから。本気よ、私の力を舐めないでね』
脅迫に近い内容の手紙。
「…どうして、っ…言ってくれなか…ったの?」
彼女がいる…婚約者がいるって言ってくれれば、こんなことしなかった。
違う、私が勝手な判断で家に連れてきて、彼女もいるか聞かなかったから。
「…わたし、いつの間にこんな弱くなったの」
私は、涙を拭いて立ち上がる。
足に力が入りにくいけど、私は立つ。
「花蓮…わたしなら大丈夫でしょ!こんなことでケチョンケチョンにされてどーすんのよ」
私は、膝を叩く。
そして、私は平然を装い、キッチンに立つ。
「約3日間、学校のイケメン男子と同居できたのはレアだよっ」
今日だけは、笑ってたい。
そう思い、昨日はハンバーグだったから…、でもそれに近い肉団子を作った。
このとき、私は悲しくて考えてなかった。
なんで、遥香さんという婚約者がいるのに、私と同居してるのかを。