七夕までの恋のカウントダウン~男の子、拾っちゃいました~
琉聖サイド
俺は、丹羽財閥の跡取りだ。
幼い頃から、することに制限をかけられて来た。
小学校では、お金持ちの名門学校に入学し、当然ながらお金持ち揃いだ。
(高校は、跡取りなら庶民の世界も知っておくべきだと思ってもない理由で、普通の公立高校に入学)
でも、俺は跡取りだと言う理由で、体育は見学が多かった。
跡取りは怪我してはいけないと。
まあ、それでも隠れてサッカーとかしてたけどな。
そんな毎日を送ってたある日、俺は安土財閥のパーティーに参加。
俺は行きたくないと言ったが、跡取りがパーティーに参加しないなどありえんと親父に言われ、俺は渋々参加した。
様々なお偉いさんに挨拶を繰り返していた頃、このパーティーの主催者である安土財閥の旦那が、真っ青な顔して走り回ってるのが分かる。
様子がおかしいと察知した親父は、安土財閥の旦那に声をかけた。
すると、安土財閥の娘がいないと知った。
俺は、親父に探してこいと言われ、俺はめんどくせえなと思いながら、適当に探してた。
…今思えば、最低だな。
しばらくすると、シクシクとなく子どもの泣き声がした。
俺は、まさかなと思いながらも、泣き声のする方に歩いた。
すると、柵に座り込んだ美人な女の子がいた。
「なあ、お前の親父が探してたぞ」
「…やめて、来ないで」
「なんで?」
「私、お父様に愛されてないの。」
え?
「…」
「この前、漫画を買ってほしいと言ったの。でも、漫画は教育に悪いから小説にしなさいと言ったのよ。」
自分と似てるなと思いながらも、
「でも、あんたがいないと分かってスゴく焦ってたのに、真っ青な顔して、うちの娘がいないと叫ぶように言ってた親父を持つあんたは十分愛されてると俺は思う」
と言えば、意外にもこいつは単純だったみたいで、そうなのかしら?と顔を綻ばせる。
そのあと、名前を安土遥香と知り、遥香は頻繁にうちに来るようになった。
それから、2年後には婚約者となった。
でも、俺はどこかイヤだと思ってた。
したらダメなことを制限された、俺にさらに婚約者を決め、十分俺の人生を決められたはずなのに、もっと縛るつもりなのかとイライラした。
だから、俺は親父に一週間後だけ、一人で暮らすと言って家を出た。
そこまではよかったけど、当然いつも親父に縛られてきた俺が外に出ると、何も出来ず、腹も減り、俺は親父なしでは生きられないのか?と絶望して、公園で寝てた。
すると、俺を助けてくれる女が一人だけいた。
「あの、し死んでないよね?」
と。
この言葉だけは聞こえてた。
心配そうな顔つきで、俺を見下ろす女。
不覚にも、こいつと生きていきたい。
と本能が恋に落ちた。