愛人~アイレン~
お土産なんて発想は私には無かった__


本当に真司は、何から何までパーフェクトな人間だ。


帰りの高速のパーキングでお土産を購入した後は、私の家に向かう。
真司なら大丈夫。そうは信じているが、うちの両親は厳しいから心配だ。


「真司……」
「どした?」
「うちの親、厳しいから……心配」
「大丈夫だよ。俺、幸の為なら何でもするから!!」


今までの男とは全然違う。
寧ろ、今まで上手くいかなかったのは相手の男が悪かっただけなんじゃ。


自信の無かった私がそう思える程、真司は新しいタイプの男だった。


愛されていると自信が持てる。
それがどれだけ幸せな事か今まで知らなかった。


色々な事を考えているうちに、家の近くのコンビニに付いた。


「ねえ、真司……」
「緊張してる?」
「うん……。あの、ね」
「どうした?」
「もし、うちの親が交際を認めなかったとしても、私と別れないで……くれる?」
「当たり前だよ。
でも、俺は幸の親に気に入られるように努力するから!」
「ありがとう……」


嬉しい。
本当に嬉しい。
今までカサカサになって乾いていた心が、潤って行く感覚に捕らわれる。


今なら人に優しくなれそうだ。
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