愛人~アイレン~
「今日は車で来たんだよな?」
「はい」
「じゃあ、帰りは代行を呼ぶから酒を飲もう!!真司君は酒は好きかね?」
「好きです!」


私もだけど、昨日からまともに寝ていない。
真司をベランダに呼び出すと小さな声で問うた。


「真司!昨日から寝ていないのに、大丈夫?」
「幸は気にしないー」
「あ、ありがとう」


部屋に戻ると、家族と真司を交えて色々な話をした。


驚いた事に直ぐに真司を受け入れた両親は、同棲する事を簡単に許してくれた。
何もかもが上手く行き過ぎて怖かった。
でも、幸せだったんだ__


母は沢山の料理を振舞ってくれた。
父は楽しそうに飲んでいる。


何処か恐れていた家庭だが、今夜だけは楽しいとすら感じてしまう。
真司が居るだけで、辛さが楽しさに変わる気がした。


楽しそうな顔でお酒を飲む真司の顔が急に真面目になった。


「幸さんとは将来結婚を考えています!」


びっくりした。
まさか、真司が私との結婚を考えてくれているなんて。


びっくりしたけど……凄く嬉しい。


「そうか!早く結婚して貰って孫が見たいな」


両親も乗り気で、なんのハードルも感じない。
真司との幸せな未来が見える気がしたんだ。
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