愛人~アイレン~
「それは、幸が大切だから!」
「でも、女として扱われて無いんじゃないかと不安になっちゃうの……」


繋いでいた手を強く握られたから、優しく握り返す。


「手……、出していいのかな?」


真司の声は小さく震えていた。
私は、少しでも真司に近付きたくて必死だった。


「出していいよ……」
「幸、無理していない?」
「無理なんてしていないよ……」
「そう、なら。そっちの布団に行ってもいい?」
「うん」


そんな会話をした後、真司が私の布団に入ってきた。
真司の熱が私の身体に伝わり、気持ちいいし安心出来る。


好き__
私は、真司がすき__


頭の中で何度もそう繰り返し、真司にしがみつくとキスを交わした。
軽いキスから、深いキスに変わって舌を絡め合う。


ここまでしてしまっては、真司も我慢出来ないだろう__


「して、いいよ……」
「大丈夫?」
「私がしたいの……」
「分かった……」


パジャマのボタンを外され、身体中にキスが降り注ぐ。
私、こんなに大切に扱われた事無い__


真司に大切にされる度、身体が熱くなった。


次第に、真司を受け入れる準備が出来て混じり合う。私にとって、初めて心が気持ちが良いと思える行為だった。
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