愛人~アイレン~
「ごめんなさい」
「いい加減にしないと、俺、仕事出来なくなるよ?」


もう心配してもらえない。
それどころか、真司の気持ちが離れて行ってしまう。


「でも、寂しいの……」
「うん。分かってる!病院に行って薬を増やして貰おう……」


病院に行って薬が増える。
それと同時にどんどん増えていく体重を止める事が出来なくなっていた。


真司と出会った頃の写真と今を比べてみたら、私の姿は別人だ。


□□□


二年半後__


真司と会った頃との私とは全く別人になってしまった私が居る。
それでも、真司は私と一緒に居てくれた。


「なあ、幸」
「どうしたの?」
「そろそろ子供欲しいよな!」


真司がまだ、私との子供を欲しがってくれる事が嬉しかった。


「ほ、欲しい!……でも、私薬飲んでるし」
「病院の先生に相談して薬を減らしてもらおう!」
「うん!!」


病院に行き薬を調整してもらって妊活を始める。
真司との子供はずっと願っていた。


願っていたはずなのに、一年過ぎても子供が出来ない。


この時には三十二歳になり焦りを感じる、私。
真司なんて、四十歳。


そろそろ子供が出来ないと不味い。


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