愛人～アイレン～
メッセージの中の彼は本当に優しくて、今まで会った事の無いタイプの男性だった。


長くメッセージを交わしているうちに、文章打つのが面倒だから話さないかなんて誘われて、電話をする事になった。


狭い部屋に彼からの着信音が鳴り響く。


顔はタイプじゃない＿＿


なのに、ドキドキしてしまうのは彼の中身に恋をしたからかも知れない。


「は、い。幸です……」
「幸ちゃん大丈夫！？」


確かに、私はこの日も凹んたでいた。
しかし、彼に弱音を吐いたわけじゃなく普通の会話を交わしていただけだ。なのに、最初の一言が不思議で堪らない。


「何がですか？」
「いや、俺の勘違いだったらゴメン！！
なんだか、幸ちゃんは寂しいんじゃないかって思っちゃって……」


この一言で、彼に恋をした＿＿


だって、私が何も言ってないのに私の気持ちを理解してくれた。こんな経験は初めて。


「さ、寂しいよ！？変だよね……」
「変じゃないよ」
「でも、何で分かったの！？」
「だって、プロフィールの写真の目が寂しそうだったから……」


他の人は、顔を褒めて来た。
なのに、この人は私の内側を見てくれた。


「そ、そうかな？寂しそうだったかな？」
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