愛人~アイレン~
「大丈夫。
旦那居ないから……」


真司が居なくなってホッとした反面、あまりに自分勝手な行動にイライラが半端ない。


「あれ?旦那居ないんだ!!
なら、もう少し一緒に居たかったな……」


健の可愛らしい言葉に癒される。


「それが、一度は帰ってきたんだけど……。
晩御飯に汁物作らなかったから、怒っちゃって……。外食しに出掛けた……」
「なんだよそれ。
幸が頑張って作ったのに!!」


行き場の無かった怒りが収まっていく感覚がする。


やっぱり健は私の事を分かってくれる。



「そうだよね。
普通なら食べてくれるよね……」
「俺なら食べるよ」


健がこう言ってくれるのは凄く有り難い。
一人だと、自分を責めてしまうから__


健が居るから自分を責めなくて助かるんだ。


「だよね。食べ物粗末にするのムカツクよね!!」
「ああ、最低だと思う。そんな男、早く別れた方が良いよ」


本当に真司は最低だ。


一時も一緒に居たくない。それは紛れも無く私の本音なのに、お金が足枷になって別れを決意出来ない。


私も最低。でも、この世界を生き抜く為にお金は重要だ。


「うん。早く別れたい……」
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