愛人~アイレン~
家に着くとすぐさま眠ってしまった真司を確認して、部屋に閉じこもる。
大量に受信した健からのメッセージ達を見て不安な気持ちになってくる。
直ぐに健に電話を掛けた。
電話に出た健は、明らかに不機嫌な様子。
「幸さぁ……」
「どうしたの?」
「もしかして、旦那と出掛けていた?」
本当の事は言いたくないが、隠し通す事は出来ないだろう。
「うん。そう。
フレンチ食べに行っていた……」
「妊婦なのにフレンチ?」
やっぱり真司がおかしいのだろう。
「そうなの。
妊婦には、匂いがキツくて全然食べれなかったよ……。
終いには、高い金出してるのにって文句言われちゃって……」
「幸の旦那やばいな……」
「うん……。もう、限界……」
「なぁ、幸?」
「どうしたの?」
「多少不便な思いさせるかも知れないけど、一緒に住もう……?」
きっと、健は勇気を出して言葉にしている。
それを理解しながら、YESと言葉に出来ない私が居た。
生活が厳しくなると分かっていて、そこに飛び込む勇気は無い。
もちろん、健の事は大好き。
でも、今すぐに何もかも捨てる勇気を持つ事は出来なかった。
大量に受信した健からのメッセージ達を見て不安な気持ちになってくる。
直ぐに健に電話を掛けた。
電話に出た健は、明らかに不機嫌な様子。
「幸さぁ……」
「どうしたの?」
「もしかして、旦那と出掛けていた?」
本当の事は言いたくないが、隠し通す事は出来ないだろう。
「うん。そう。
フレンチ食べに行っていた……」
「妊婦なのにフレンチ?」
やっぱり真司がおかしいのだろう。
「そうなの。
妊婦には、匂いがキツくて全然食べれなかったよ……。
終いには、高い金出してるのにって文句言われちゃって……」
「幸の旦那やばいな……」
「うん……。もう、限界……」
「なぁ、幸?」
「どうしたの?」
「多少不便な思いさせるかも知れないけど、一緒に住もう……?」
きっと、健は勇気を出して言葉にしている。
それを理解しながら、YESと言葉に出来ない私が居た。
生活が厳しくなると分かっていて、そこに飛び込む勇気は無い。
もちろん、健の事は大好き。
でも、今すぐに何もかも捨てる勇気を持つ事は出来なかった。