砂浜に描いたうたかたの夢
必死に反論するも、「照れなくていいのに〜」と聞く耳なし。

顔は似てないのに、瞳の煌めき度と興奮度は親子そっくり。

恋バナでテンションが上がるのは分かるけどさ、俺、高校生だから! 思春期の繊細な心を刺激するのやめてくれます⁉



「ほれ! せっかくだから着てみなさい!」

「いや、いいよっ」



年季が入った大きめの白いアロハシャツを、首と手を横に振って受け取り拒否をする。



「そんな遠慮せんで! 最近は、おーばーさいずが流行っとるんだろう?」

「そうだけど……俺とひいじいちゃんじゃ体格違うから似合わないって。あと、時代遅れじゃない?」



今は痩せている曾祖父だけど、若い頃はがっしりしていて、祖母が言うには逆三角形の体型だったんだとか。

しかし自分は、肩幅はそこそこあるものの、周りが見惚れるほどの立派な上半身ではない。

それに、祖母の子供時代だと60年以上も前。
流行は巡り巡るって言うけど、時代に合わせてデザインも変化してると思うし……。
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