砂浜に描いたうたかたの夢
ネットサーフィンをするように、そのまま他の同級生達の投稿も見ていく。

みんな夏休み満喫してるなぁ……。あぁ、焼き鳥美味しそう。食べたい。

ドアップで撮られた焼き鳥の写真にいいねボタンを押して、最後の通知をタップした。



「……」



画面に表示された大きなハート。それは、ゴツゴツした手と華奢な手が合わさって作られていて。

その下には、【3ヶ月記念日♡】と書かれていた。

リア充め……! こっちは大量の宿題で心身ともにぐったりしてるっていうのに……!


行き場のない怒りを拳に込めて、ドンドンドンと机を叩く。

私だって……私だって本当は遊びたい。

友達と一緒にご飯食べたり、家族で旅行したり。恋愛もしたいし、好きな人を作って2人で出かけたい。



「もうやだ……っ、帰りたい」



強く叩いたのと同時に弱音がこぼれた。

私、何言ってるんだろう。ここ、自分の家なのに。一体どこに帰るんだよ。
疲れすぎて頭おかしくなっちゃったのかな。
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