砂浜に描いたうたかたの夢
「無事で良かった……っ!」
「心配かけて、ごめんなさい……っ」
上では祖母に抱きしめられて、下ではジョニーが顔を腕にこすりつけていて。温もりを感じてじわっと目頭が熱くなった。
そのまま祖母に手を引かれて居間へ向かう。
「あら、おかえり」
「た、ただいま……」
襖を開けるやいなや、曾祖母が和やかな笑顔で迎えてくれた。
ん……?
テーブルに置かれたお皿が視界に入り、目を凝らす。
記憶に新しい見覚えのある食材。
もしかして、豆腐と桃……?
「片づけようとしたら、『まだ食べてないから』って、素手で掴んで食べ始めてね。新しい器と交換して出したの」
入口で立ち尽くす私に説明する祖母。
近づくと、曾祖母の手元に一部分が茶色く染まった小さな旗が置かれている。
「一花ちゃん、ありがとねぇ。すごく美味しいよ」
「っ……お口に合って、良かった……」
名前を呼ばれた途端、再び涙腺が崩壊。
もう、なんで今日はみんなして、私を何度も泣かせるんだ……っ。
嬉し涙、悲し涙、恐怖の涙。
1年間分の涙を流したんじゃないかってくらい、忘れられない満月の夜を過ごしたのだった。
「心配かけて、ごめんなさい……っ」
上では祖母に抱きしめられて、下ではジョニーが顔を腕にこすりつけていて。温もりを感じてじわっと目頭が熱くなった。
そのまま祖母に手を引かれて居間へ向かう。
「あら、おかえり」
「た、ただいま……」
襖を開けるやいなや、曾祖母が和やかな笑顔で迎えてくれた。
ん……?
テーブルに置かれたお皿が視界に入り、目を凝らす。
記憶に新しい見覚えのある食材。
もしかして、豆腐と桃……?
「片づけようとしたら、『まだ食べてないから』って、素手で掴んで食べ始めてね。新しい器と交換して出したの」
入口で立ち尽くす私に説明する祖母。
近づくと、曾祖母の手元に一部分が茶色く染まった小さな旗が置かれている。
「一花ちゃん、ありがとねぇ。すごく美味しいよ」
「っ……お口に合って、良かった……」
名前を呼ばれた途端、再び涙腺が崩壊。
もう、なんで今日はみんなして、私を何度も泣かせるんだ……っ。
嬉し涙、悲し涙、恐怖の涙。
1年間分の涙を流したんじゃないかってくらい、忘れられない満月の夜を過ごしたのだった。