砂浜に描いたうたかたの夢
苦い笑みを浮かべながらアプリを閉じた。

あれから3週間。今どうしてるだろう。願い事は叶ったのかな。

連絡したいけど、今年の春から絵の数も減って、投稿頻度も下がってるんだよね。受験生だから勉強で忙しいのかな。


電源ボタンを押して机の上に置いた瞬間、スマホが振動し始めた。

着信画面に映っているのは【お母さん】の4文字。



「もしもし? 何?」

「お風呂、もうすぐお父さん上がるから入って」

「はーい」



電話を切ると、ふと画面上部の時計が目に飛び込んできた。

えっ、もう10時過ぎ⁉ 10分間だけ休憩するつもりが30分以上経ってたの⁉


引き出しを開けて日記帳を出し、急いで絵を描いていく。

今日は11時に寝ようと思ってたのに、これじゃ間に合わないよぉぉ。


その後、急いでお風呂を済ませ、時間内に終わらせようと頑張ったものの。

結局間に合わず、ベッドに入ったのは日付が変わる5分前だった。
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