砂浜に描いたうたかたの夢
「ニュースでも見たけど……本当、残念ね」
「あぁ。みんな泣いてた。顔を見た途端、泣き崩れてた人もいて……多分友達だろうな」
ネクタイを緩めて、シャツをパタパタさせる父。
お葬式って夏場でも長袖なのか。初めて知った。
今日みたいに曇ってたらいいけど、晴れだったら汗だくになりそう。
話に夢中になっている隙を見て、冷蔵庫の前に移動する。
次はチョコ味にしよう。
「一花、もうやめなさい。お腹壊すよ」
「うっ……」
アイスを取り出したその時、母の鋭く低い声に注意された。
ゆっくり開けたけれど、わずかな音で気づかれてしまったようだ。
くぅぅ、あと少しだったのに! っていうか、さっき食べてたのもバレてたなんて! お母さんの地獄耳め!
「お風呂上がったよ〜。あ! アイス!」
すると、首にタオルをかけた4歳下の弟の楓がやってきた。
「嘘だろ⁉ 俺まだ1本も食べてねーのに! 食い尽くしてねーだろうな⁉」
「してないってば……」
「あぁ。みんな泣いてた。顔を見た途端、泣き崩れてた人もいて……多分友達だろうな」
ネクタイを緩めて、シャツをパタパタさせる父。
お葬式って夏場でも長袖なのか。初めて知った。
今日みたいに曇ってたらいいけど、晴れだったら汗だくになりそう。
話に夢中になっている隙を見て、冷蔵庫の前に移動する。
次はチョコ味にしよう。
「一花、もうやめなさい。お腹壊すよ」
「うっ……」
アイスを取り出したその時、母の鋭く低い声に注意された。
ゆっくり開けたけれど、わずかな音で気づかれてしまったようだ。
くぅぅ、あと少しだったのに! っていうか、さっき食べてたのもバレてたなんて! お母さんの地獄耳め!
「お風呂上がったよ〜。あ! アイス!」
すると、首にタオルをかけた4歳下の弟の楓がやってきた。
「嘘だろ⁉ 俺まだ1本も食べてねーのに! 食い尽くしてねーだろうな⁉」
「してないってば……」