砂浜に描いたうたかたの夢
第5章
後悔の渦
「なーぎーっ!」
授業の終わりを告げるチャイムが鳴り始めると、教室の後ろからバタバタと駆け寄ってくる足音が聞こえた。
「飯食いに行こ!」
「いいけど、弁当忘れたの?」
「髪のセットに時間かかってさ、バタバタしてたら持ってくの忘れた」
自身の茶色い髪の毛を指差し、あははと白い歯を見せて笑った男子。
彼は佐倉 理桜。小学生時代からの仲で、今年で12年目の付き合いになる友人。
つい先日梅雨入りしたばかりで、大半の人なら気分が滅入ってしまいそうだが、出会った頃から変わらず、元気でお調子者な性格なんだ。
洗い場で手を洗った後、弁当箱と水筒を入れたバッグを持って食堂へ足を運ぶ。
「おーい! 理桜ーっ、凪ーっ」
「あっ、桃士!」
空席を探していると、奥の席に男子2人が座っているのを見つけた。彼らの元に向かう理桜の後を追う。
「お前も来てたのか〜! って、鋼太郎もいたのかよ! 珍し! そっちも弁当忘れたの?」
「あはは、違うよ理桜〜。今日お母さんの具合が良くなかったから作れなかっただけなんだよ」
「マジ? 大丈夫なの?」
「……心配ないから、まず座れ。通行人の邪魔だ」
授業の終わりを告げるチャイムが鳴り始めると、教室の後ろからバタバタと駆け寄ってくる足音が聞こえた。
「飯食いに行こ!」
「いいけど、弁当忘れたの?」
「髪のセットに時間かかってさ、バタバタしてたら持ってくの忘れた」
自身の茶色い髪の毛を指差し、あははと白い歯を見せて笑った男子。
彼は佐倉 理桜。小学生時代からの仲で、今年で12年目の付き合いになる友人。
つい先日梅雨入りしたばかりで、大半の人なら気分が滅入ってしまいそうだが、出会った頃から変わらず、元気でお調子者な性格なんだ。
洗い場で手を洗った後、弁当箱と水筒を入れたバッグを持って食堂へ足を運ぶ。
「おーい! 理桜ーっ、凪ーっ」
「あっ、桃士!」
空席を探していると、奥の席に男子2人が座っているのを見つけた。彼らの元に向かう理桜の後を追う。
「お前も来てたのか〜! って、鋼太郎もいたのかよ! 珍し! そっちも弁当忘れたの?」
「あはは、違うよ理桜〜。今日お母さんの具合が良くなかったから作れなかっただけなんだよ」
「マジ? 大丈夫なの?」
「……心配ないから、まず座れ。通行人の邪魔だ」