砂浜に描いたうたかたの夢
涙をこらえて、笑顔で感謝と最後の挨拶を口にし、襖に手をかける。
振り向くと、満面の笑みで手を振る、愛に溢れた大好きな人。
その姿は月夜に輝く王子様ではなく、太陽の光に照らされた眩しい王子様だった。
◇
しばらくして親戚が全員集まり、和室にて法要が始まった。
読経とお坊さんの話が行われると、私達一行は近くの納骨堂へ。お参りを済ませた後、浅浜家に戻った。
「あの子が……そんなことを……っ」
法要が終わり、慌ただしさが少し落ち着いた午後。
和室の隅で、凪くんのお母さんとお姉さんに、帰省中の話に加えて、つい先ほど彼が打ち明けてくれた話をした。
『お弁当に入ってた野菜炒め、めちゃめちゃ美味かった』
『生きてるうちに好きな物たらふく食べてね』
『毎回口答えして、沢山迷惑かけてごめんなさい。短い間だったけど、好きなことを思いっきりさせてもらえて幸せでした』
凪くんからの遺言を伝えると、ハンカチを目に当てて「ありがとう」と涙ぐんでお礼を言われた。
1ヶ月以上が経っても、今も泣いてしまうくらい悔やんでたんだな。
これで全ての後悔がなくなるわけではないけれど、少しでも荷を軽くすることができたのなら良かった。
振り向くと、満面の笑みで手を振る、愛に溢れた大好きな人。
その姿は月夜に輝く王子様ではなく、太陽の光に照らされた眩しい王子様だった。
◇
しばらくして親戚が全員集まり、和室にて法要が始まった。
読経とお坊さんの話が行われると、私達一行は近くの納骨堂へ。お参りを済ませた後、浅浜家に戻った。
「あの子が……そんなことを……っ」
法要が終わり、慌ただしさが少し落ち着いた午後。
和室の隅で、凪くんのお母さんとお姉さんに、帰省中の話に加えて、つい先ほど彼が打ち明けてくれた話をした。
『お弁当に入ってた野菜炒め、めちゃめちゃ美味かった』
『生きてるうちに好きな物たらふく食べてね』
『毎回口答えして、沢山迷惑かけてごめんなさい。短い間だったけど、好きなことを思いっきりさせてもらえて幸せでした』
凪くんからの遺言を伝えると、ハンカチを目に当てて「ありがとう」と涙ぐんでお礼を言われた。
1ヶ月以上が経っても、今も泣いてしまうくらい悔やんでたんだな。
これで全ての後悔がなくなるわけではないけれど、少しでも荷を軽くすることができたのなら良かった。