砂浜に描いたうたかたの夢
「一花ちゃん、重ね重ねだけど、本当にありがとう。多分凪が言ってたの、これだと思う」
残されたお姉さんからスケッチブックを受け取る。表紙をめくると、色鮮やかな花の絵が描かれていた。
鉢植えのバラ。庭で描いてたのかな。
微笑みつつページをめくっていたら、紙全体に大きく描かれた風景の絵が現れた。
赤とピンクの梅の花の間で、約半年前の私が幸せそうに目を細めて立っている。
花びらの1枚1枚まで繊細に塗られていてすごく綺麗。あと、美化されてて少し顔に柔らかさが増してる。さすが受賞の常連さんだ。
クスッと笑みをこぼし、次の絵へ移ると、アイコンの絵とは対照的に白っぽい絵が出てきた。
鉛筆のみの下描き状態。完成させてほしいとお願いされた絵だとすぐに分かった。
「これ……っ」
目を凝らした瞬間、頭の中にとある風景が浮かび上がった。
海と砂浜、階段と高台を背景に、灯台と消波ブロックが描かれている。
それは……初見で私が『骨みたい』だと例えて、凪くんに笑われた場所。
『前来た時にスケッチしたことがある場所でさ』
『一花ちゃんと一緒に見れて良かった』
残されたお姉さんからスケッチブックを受け取る。表紙をめくると、色鮮やかな花の絵が描かれていた。
鉢植えのバラ。庭で描いてたのかな。
微笑みつつページをめくっていたら、紙全体に大きく描かれた風景の絵が現れた。
赤とピンクの梅の花の間で、約半年前の私が幸せそうに目を細めて立っている。
花びらの1枚1枚まで繊細に塗られていてすごく綺麗。あと、美化されてて少し顔に柔らかさが増してる。さすが受賞の常連さんだ。
クスッと笑みをこぼし、次の絵へ移ると、アイコンの絵とは対照的に白っぽい絵が出てきた。
鉛筆のみの下描き状態。完成させてほしいとお願いされた絵だとすぐに分かった。
「これ……っ」
目を凝らした瞬間、頭の中にとある風景が浮かび上がった。
海と砂浜、階段と高台を背景に、灯台と消波ブロックが描かれている。
それは……初見で私が『骨みたい』だと例えて、凪くんに笑われた場所。
『前来た時にスケッチしたことがある場所でさ』
『一花ちゃんと一緒に見れて良かった』