砂浜に描いたうたかたの夢
いつも……⁉ 毎朝5時起きなの⁉ はっっや!

年取ると早起きになるとは言われているけど、それでも早くない⁉ ちゃんと眠れてるのかな……。



「タダシさんこそ、こんな時間に起きてるなんて珍しいじゃないの。もしかしてポチの散歩?」



顔を拭く曾祖母の様子をうかがっていると、スイッチが入ったかのようにペラペラと話し出した。



「……ひいおばあちゃん、違うよ。私、一花。あと、ポチじゃなくてジョニーだよ」

「あら、そうだったかね。これは失礼しました」



昨日と同じ、深々と頭を下げた丁寧な謝罪。そして謎の男、タダシの登場。


また間違えられた……。早朝だから寝ぼけてるのかな。

それにしても、タダシは一体何者なんだろう。昨日はみんなバタバタしてたから、結局聞けなかったんだよね。


気になるところだけど、これから観察しに行かなきゃいけない。

尋ねたい気持ちを抑え、歯を磨き始めた曾祖母に「またね」と言い残して退室した。







「おじいちゃん、ジョニー、お待たせ」

「おお、きたきた」



急いで準備を進めること15分。駐車場にいる祖父とジョニーの元へ向かった。
< 46 / 322 >

この作品をシェア

pagetop