彦星さまは会いたくてたまらない
衣織ちゃんは、待ち焦がれている
☆衣織side
「ねぇ、衣織。
今日ね、新しい先生が
うちの高校に来るんだって」
梅雨真っただ中の朝。
教室に駆け込んできた
親友の純ちゃんに
「ふ~ん」
そっけない返事を返した私は
姫野 衣織。
高校3年生。
「イケメンらしいよ」
「そうなんだぁ」
別に興味ないなぁ。
新任の先生なんて……と
ついつい思ってしまう。
「こんどこそ、衣織の好み
ど真ん中だと思うな、私は」
「純ちゃんは
新任の先生の顔を見たの?」
「見てない。でもなんとなく
そう思っちゃったの」