彦星さまは会いたくてたまらない
俺は、目の前に広がる
天の川を睨みつけた。
織姫のいる向こう岸まで
140兆キロって……
「遠すぎだろうが……」
無意識にもれたボヤキ。
さらに、俺の心を痛めつける。
織姫は18歳。
ということは……
「3年前と比べて
可愛さだけじゃなく
色気も増しちゃってるんだろうなぁ」
他の男が寄ってきても
俺は追い払えないから
「これ以上可愛くなるの
マジやめて欲しいわ。
心配だから……」
暗い気持ちを追い払いたくて
俺は雨でぬれた髪を
思いっきり手でグシャグシャに。