彦星さまは会いたくてたまらない
「なんでオマエは
ここに来たんだよ!」
1年に1度、七夕だけは
俺が天の川のほとりを
占領していい日だろうが!
まぁ、こいつに怒鳴ってもムダか。
涼しい顔でスルーされるだけ。
俺は経験から、怒りを飲み込むことに。
「僕の足が、勝手に来ちゃんだもん。
聞くなら、僕の足に聞いて。
ねっねっ」
「なんだ、それ」
「違った、違った。
来た理由がちゃんとあった。
傘を届けに来たよ。ハイ!」
あぁ~。
追い払うつもりが
俺の隣に座りやがったし。
俺の傘を
持ってきてくれたことには
感謝だけど……