彦星さまは会いたくてたまらない




「本当に大好きなんです……
 
 先生のこと……」




「ああ」




「私、先生のこと
 好きでいてもいいですか?」



「いいんじゃね?」



「ほんと……ですか?」



「好きって気持ちは
 自分じゃどうしようもできない
 怪物みたいなものだからな」





「じゃあ……」



私と付き合ってください!


そう伝えようと思った。


それなのに……




私の瞳に、先生の左手が

映し出された瞬間


告白の言葉が

喉に押し戻されてしまった。






先生の左手の薬指に

シルバーのリングが……




これって……結婚指輪だよね?



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