彦星さまは会いたくてたまらない
『お腹が痛いので、帰らせてください』
そう言って、姫野は帰っていった。
その日からの俺は
姫野との二人だけの時間を
思い出し
ドキドキして
嫉妬して
イラついて
またドキドキして
暴れまくりの恋愛感情を
鎮めることに苦戦している。
あれ?
つぅか、なんで俺
昼休みなのに
天文同好会の部屋なんかに
来ちゃったんだよ?
姫野はいつも昼休みには
女子と二人で教室にいる。
そんなこと、リサーチ済みだろうが。
はぁぁ~。
それでも会いたいんだよな、姫野に。
この前みたいに
好きなものを思いっきり
俺に語って欲しいんだよな。
いろんな表情を見せてくれた姫野。
笑ったり
怒ったり
悲しい顔をしたり。
彼女を思い出すだけで
極甘な気分に浸れるけれど
俺の心臓がキュンってうずいて
落ち着かない。
ヤバッ!
マジで俺、生徒に恋してるじゃん!
生徒には手を出さない!!
その決意が揺らぎそうで
……正直、怖いわ。