あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「慶都おじさん、あっちでボーリングしようよ」


そう言って、真斗君が慶都さんを呼びにきた。


「ああ、真斗、ごめんな。すぐに行くから」


「うん、先に行ってるから来てね」


「わかった」


慶都さんは、真斗君の頭を撫でた。


そして、また雪都に振り返って、


「じゃあね、雪都君。ママを大切にするんだよ。また……必ず会おう」


「うん、またね」


笑顔で手を振り合う2人、とても良く似た2人。


そんな2人を見ていたら「雪都、この人があなたのパパだよ」って……思わず話してしまいたくなった。


「彩葉先生」


「え? あっ、理久先生」


「大丈夫ですか? 何かありましたか? 目が赤いです」


やっぱり理久先生にはすぐに気づかれてしまう。


「さっきから目がかゆくて。ホコリが目に入ったかな?」


全く、変なごまかし方だ。
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