あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「私はさ、彩葉には慶都さんしかいないって思う」


「えっ……」


「慶都さんは、雪都君のパパなんだから」


「う、うん。でも……」


「彩葉はお嬢様だね、うらやましいよ。可愛いお嬢様、ううん、お姫様だね。お姫様にはちゃんと慶都王子様が近くにいて守ってくれてたんだよ」


「慶都王子……」


「そっ、慶都王子。でも、お互いの気持ちや行動に誤解が生まれて離れ離れになって。好き同士なのに一緒にいられない時間を過ごしてしまった。2人の間には小さな小さな雪都王子が生まれていたというのに。だけど今、その雪都王子とお姫様の前に、超イケメンの王子様が白馬に乗って舞い戻ってきた。今度こそ、愛するお姫様と、そして可愛い王子を守るんだって」


ずっと憧れてた、白馬に乗った王子様の話。


女性なら1度は夢見るストーリー。


「お姫様もお姫様で、途中入ってくるライバルにも負けず、2人は愛を貫いて幸せになる。めでたしめでたし」


自分で言って拍手をしてる弥生。


「童話作家?」


「うん、そうだよ。私が描いたシンデレラストーリーはいかが?」
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