あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「素敵なお話だね。嬉しいけど、でも、それが自分のこととは思えなくて……」


「いったい何を迷うことがあるの? あんなにイケメンでスタイル抜群。おまけに優秀で仕事もできる。しかも御曹司でお金持ち、いうことないよね」


「お金持ちは……関係ないけどね」


苦笑いする。


「そうかな~? お金はいくらあっても困らないし。だけど、やっぱり最後は2人の気持ちだよ。2人が想い合っていたら、雪都君はきっと幸せだから」


そう言って、弥生はちょっと思い詰めたような顔をした。


「大丈夫?」


「あっ、うん、全然大丈夫。やっぱり本当の家族が1番なんだよね。わかってるんだ、ちゃんと」


その時、弥生の目がキラリと光った。


大切な友達の思いが伝わり、私の胸も苦しくなる。


「ケジメつけなきゃって思ってた。子どもにとったら、たった1人のパパで、私が彼を奪うことは……子どもから1番大切な人を奪うことになるんだよね。それって、最悪なことなんだよね」
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