あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
私、どう答えればいいの?


弥生に何を言ってあげればいいんだろう。


「私、自分の気持ちに向き合えてなかった。でも、2人に話してからすごく気持ちが楽になって。今日もね、彩葉と話して、私もまたいろいろ考えることができたって思ってる」


何かを決意したような、そんな表情を浮かべる弥生。


それを見て、私も一緒に乗り越えたいと思った。


「うん。私は恋愛に対してまだまだ未熟者だけど、弥生も一緒に自分自身の未来のこと考えようよ。あの時は、私も理久先生も、弥生の気持ちを思うと、好きな人と別れるべきだなんて簡単に言えなかった」


「彩葉……」


「でも、弥生は絶対に幸せになるべきで、それはやっぱり、相手が弥生を本気で愛して、本気で幸せにしてくれる人なのかどうかだと思うんだ。今、動き出さなくちゃ、ずっとこのまま同じところで悩み続けることになるよ。ごめん……全然上手く言えない」


弥生に対して偉そうかなって思ったけど、後悔したくなくて、気づけば自分の思いの丈を精一杯語っていた。
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