あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
うつむきながら黙っている弥生。


『ごめんね。もっとちゃんと良いアドバイスが出来たらいいのに…私の話なんて説得力ないよね』


何だか自分がもどかしくて、本当に申し訳なく思った。


『ううん、彩葉の言う通りだよ。うん!それ、大正解!』


『えっ?』


私に対して茶化してみせた弥生は、涙を流しながら一生懸命笑ってた。


『幸せになれないって…心の中ではずっと気づいてたのにね…何か踏ん切りつかなくてズルズルして。私、ダメな女だから…』


『何言ってるの!弥生はダメじゃないよ。私は弥生に1番助けてもらった。今だって、弥生のおかげでいろいろ頭の中が落ち着いていってる。弥生は素敵な女性だよ。人間としても、とっても素敵な人』


本当だよ、心からそう思ってる。


『…嬉しいこと言ってくれるんだね』


『当たり前だよ。弥生が、好きな人のことをそんな簡単に切れないのもわかる。痛いほど…わかるよ。誰だって、ちゃんと決められない。いろいろあって、なかなか割り切れない。だからダメな女とか言わないで。でも、やっぱり…』


弥生への思いが溢れて、私まで泣いてしまった。


『うん、わかってる。彩葉の気持ち、嬉しい。ちゃんとしなきゃね。本当に…ちゃんと…しなきゃ』
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