あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「次は何か食べる?」


「はい、私、あれが食べたいです」


「冷やしパイン?」


「はい、子どもの頃から大好きなんです」


「じゃあ食べよう」


2人で冷やしパインを食べながら歩く道。


たくさんの人で賑わってる中を、隣同士、くっつきながら進む。


時々、袖が触れ合う度に彩葉との距離を近く感じ、それだけで胸が高揚する。


ずっとずっと……君が好きだった。


言えなくて胸に閉じ込めた淡い想い。


そんな想いはいつしかどんどん大きくなって、気づけば、彩葉を女性として意識するようになっていた。


他の誰も目に入らないくらい、毎日毎日、君を想った。


簡単に会うことができないもどかしさに苦しみ、それでも、一堂家で君に会えた時の嬉しさは……


何ものにも変え難い喜びだった。


大好きな人が隣にいて、こんなにも心臓の鼓動が早くなって……


この気持ちは、紛れもなく今の俺の全てだ。


俺は……


この人を真剣に愛している。
< 134 / 235 >

この作品をシェア

pagetop