あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「ああ、蓮(れん)と言うんだ。蓮にはその当時、大切に付き合っていた婚約者がいて、俺も当然2人を応援していた。でもある日、突然彼女は俺に告白してきたんだ。とても驚いたよ。俺は『蓮がいるのにどうして?』と問い詰めてしまった。あいつがどれだけ彼女を愛していたか知っていたから」
「そんなことが……」
「そのことが気に入らなかった彼女は、蓮に『慶都さんに無理やり付き合えと言われた。許せないからあなたとも別れる』と、嘘を言ったんだ。当然、蓮は激怒して、俺をののしり殴った。弟は……そのすぐ後に家を出ていってしまったんだ」
「そんな……そんなの悲し過ぎます。本当のことは言わなかったんですか?」
「自分は蓮を裏切るようなことはしていないと、それだけは言った。だが、蓮は何も信じられなくなったんだろう。心を閉ざし、口を聞いてもらえなくなった」
彩葉の顔が曇っていくのがわかった。
でも、俺は話を続けた。
「そんなことが……」
「そのことが気に入らなかった彼女は、蓮に『慶都さんに無理やり付き合えと言われた。許せないからあなたとも別れる』と、嘘を言ったんだ。当然、蓮は激怒して、俺をののしり殴った。弟は……そのすぐ後に家を出ていってしまったんだ」
「そんな……そんなの悲し過ぎます。本当のことは言わなかったんですか?」
「自分は蓮を裏切るようなことはしていないと、それだけは言った。だが、蓮は何も信じられなくなったんだろう。心を閉ざし、口を聞いてもらえなくなった」
彩葉の顔が曇っていくのがわかった。
でも、俺は話を続けた。