あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「私もずっと雪都から元気とか勇気とかいろんなものをもらってましたから。あっ、でも、雪都も新しいおじいちゃんとおばあちゃんができて大喜びなんですよ。すごく有難いことです」


「これがお互いにとって1番最良の選択だったということだな。俺達は、これからもずっと一緒だ」


そう言って、慶都さんはお気に入りのワインとワイングラスを用意してくれた。


温度管理されたワインセラーには、年代物の高価なものから手軽なものまで、いつでも飲めるように常備されている。


コルクタイプの赤ワインのキャップシールを、ソムリエナイフを使って器用に剥がす慶都さん。


スクリューでコルクを抜き取り、慣れた手付きでワインを注ぐと、それはトクントクンと流れ込み、透明なグラスがゆっくりと赤に染まっていった。


その一連の流れはまるで芸術のようにも思え、慶都さんのスマートな振る舞いに思わずキュンとしてしまう。
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