あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
当たり前の家族の幸せ
「お父さん、いつもありがとう。お昼ご飯もこんなにご馳走になって」


「こちらこそ、一緒に食事できて嬉しいよ」


久しぶりに雪都を連れて実家に帰ってきた。


麗華とキチンと話をするために。


「おじいちゃん、遊ぼ」


「ああ、雪都、一緒に遊ぼうか。だけど、少しだけママとお話があるから、終わったら遊ぼう。ちょっと向こうで待っててくれるか?」


父は、膝まづいて雪都に言った。


「は~い、おじいちゃん大好き」


そう言って、父のことを抱きしめる雪都。


「おお、雪都~おじいちゃんも大好きだ」


あまりにも微笑ましい光景に目尻が下がる。


顔をしわくちゃにして笑う父、冷静沈着な社長の時の顔とは全然違う。


「雪都のこと、ありがとう。こんなに良くしてもらって……私が親孝行しないといけないのに」


「何を言うんだ。雪都を産んでくれたことが何よりの親孝行じゃないか。こちらこそお礼を言わないとな。孫がこんなにも可愛いなんて思わなかったよ。初めて……長生きしたいと思った」
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