あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
慶都さんのドキドキが伝わってきて、私まで心臓がバクバクした。


『ねぇ、パパ? 僕のパパでしょ?』


目をキラキラさせながらそう言った雪都に、2人ともすごく驚いた。


でも次の瞬間、慶都さんは雪都を優しく見つめながら、


『ああ、そうだよ。俺は雪都のパパだ。ずっと離れていてごめんな』


って、答えてくれた。


『わ~い、やったぁ。パパだ、パパだぁ~』


こんな嬉しそうにはしゃぐ雪都、初めて見た。


本当は、ずっとパパに会いたかったんだね。


『雪……都』


慶都さんは、そう小さくつぶやきながら、目の前の我が子をギュッと抱きしめた。


抑えきれない涙がポロポロこぼれ落ち、その姿を見ていた私も……もちろん涙を我慢することはできなかった。


『パパ! ママと3人でいっぱい遊べる?』


『ああ、これからはずっと一緒だから。だから……いっぱい遊ぼうな』


胸を詰まらせながらも、慶都さんは、自分の思いを一生懸命言葉にしてくれた。
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