あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「麗華、少し落ち着きなさい。いつまでも姉妹でいがみ合っていても仕方ないだろう? ちゃんと話し合うんだ。彩葉、私は雪都と向こうの部屋にいるから。2人でゆっくり話しなさい」


「あっ、うん。ありがとう」


父と雪都はリビングを出た。


「何? 疲れてるんだけど」


麗華は足を組んでソファに座り、こちらを見ずにスマホを触り始めた。


「麗華、私ね……」


「知ってるわ。お父様から聞いてるから。慶都さんと結婚するんでしょ? 雪都は慶都さんとの子どもだったのね」


まだスマホから目を離さない。


「ごめんなさい。本当に……ごめんなさい」


どうやって謝ればいいかわからない。


心が痛い。


その時、麗華はようやくスマホを置いて私を見た。


「私から慶都さんを奪っておいて、今さら謝るなんて」


そう言ってすぐに立ち上がり、私の目の前に来て、さらに続けた。


「慶都さんも慶都さんだわ。私とのお見合いを解消して、彩葉さんとの子どもを作るなんて。私はね、慶都さんが好きだったの。あの人となら結婚してもいいと思ってたのに。なのに、彩葉さんなんかと……」
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