あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「腹いせなんて。私はね、麗華のことを本当に大切な妹だと思ってる。お母さんを亡くしてから、あなたはものすごく苦しかったんだよね」


母になってわかったことがある。


自分がいなくなったら雪都はどんなにつらいだろうか、その悲しみを背負うことがどんなに苦しいことだろうか。


だから、いつも笑って、元気に生きていたいって。


なのに麗華にはお母さんがいなくて……


それを思うと胸が締め付けられる。


でも、私の母だって、本当は麗華の前でずっと笑っていたかったはず。


どうすることもできなくて、だんだん笑えなくなった母のつらさも、子どもを持った今だからこそよくわかる。


「やめてよ! あなたに何がわかるの? わかるはずない。私達は……住む世界が違うんだから」


「私はずっと麗華と何でも話せる友達みたいな関係になりたかった。今でも同じ気持ちだよ」
< 177 / 235 >

この作品をシェア

pagetop