あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「彩葉先生には本当に感謝してます。いつもそうやって励ましてくれて。でも、僕はそんな良い人間じゃないから。先生が結婚するって知って、正直すごく落ち込んでます。大切な人が幸せになれたことを心から喜べない男なんです……最低ですよ」


「理久先生……本当に……ごめんなさい」


また……


本当、何やってんだ。


「彩葉先生を悲しませたくないし、笑ってなきゃって思います。だけど、側にいると……やっぱりあなたを求めてしまう」


「……」


「いつか先生が僕に振り向いてくれるんじゃないかって。そんな望み、1ミリだってあるはずないのに。どうしたらいいのかわからないんです。僕は、この想いを死ぬまで抱えて生きていくんですかね」


「ごめん、私……」


こんなバカなことばっかり言ったら、彩葉先生に嫌われてしまうだけなのに。


わかってるのに……


でも、このままじゃダメだ、僕の覚悟、ちゃんと言わないと。
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