あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
僕の夢?


「ねえ聞いて。まずは彩葉と理久先生に報告! 私、和田 弥生は、最低最悪なあの男とキッパリ別れて、無事に新しい1歩を踏み出しました~! パチパチパチ」


弥生先生は、自分で拍手をしながら笑った。


「弥生、本当に?」


「うん! 2人のおかげだよ。本当にありがとう、感謝してる」


「そうなんだ……弥生、良かった……」


彩葉先生は、心からホッとしたようだった。


もちろん、僕も。


「私の場合はさ、相手がクズだったからスパッと嫌いになれて良かったけど。でも、理久先生の場合はそうじゃない。だけどさ、理久先生はまだ若いんだから、ずっと彩葉を引きづってたらもったいないよ。新しい1歩、踏み出してみなよ」


「新しい1歩……」


「うん。他の誰かを好きになるのも良いってこと。いつまでもさ、未練がましいのは嫌われるよ」
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