あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「ずいぶんあなたに迷惑をかけたのに、こんな私をそこまで想ってくれて、本当に……私は幸せですね」


「迷惑をかけたのはこっちの方だ。すまなかった」


「いいえ……私が弱かったから。でも、少しずつ、少しずつ、頑張ってみようかしら。私も、あなたと一緒にいたいですから」


私が愛した君の優しい笑顔。


その女性らしい仕草や言葉、いくつになっても変わらない。


「大丈夫。必ず戻れる。陶芸もまた始めないか? たくさんお皿も作って、雪都にプレゼントしたいんだ」


「それはいいですね。あの頃、1枚のお皿に誰かへの思いを込めて焼きましたね。今度は、雪都にプレゼント……私も作ってみたいです」


「2人でいろいろなことに挑戦して、これからはいつだって君と時間を共有したい」


「ありがとうございます。1歩1歩……歩んでみます」


「ああ、ゆっくりでいい。いつまでも待つよ」


私は、この歳になっても、当たり前のように君を愛している。


君と過ごす毎日が、明るい希望で満ち溢れた素晴らしい日々になることを……心から願う。
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