あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
『お母様、見て見て~』


『まあ、麗華、なんて素敵な絵なの。お庭のお花を描いたのね』


『うん。お母様のお顔も描いてあげる』


『あらあら、私を描いてくれるの? 嬉しいわね。麗華の絵は本当に上手だから、みんなに見てもらえるといいわね』


お母様の優しいお顔。


優しい声、優しい言葉。


今でも全部覚えてる。


大好きなお母様……


ずっと心配かけてごめんなさい、新しいお母さんや彩葉さんに冷たくしちゃって……


でも、今は彩葉さんと連絡したりして、今度個展にも来てくれるのよ。


これからは、少しずつ距離を縮めていけるようにしたいと思ってる。


私、画家として必ず成功してみせる。


1枚1枚、心を込めて大好きな絵を描き続け、全部の絵をお母様に褒めてもらいたい。


「麗華、とっても上手に描けたわね」って……そう言って微笑んでもらえるように。


だから、ずっとずっと見守っててね。


約束よ、大好きで、大切なお母様。
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