あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
園長は私を許し、名前を出さずに奥さんに話した。


園長も……とてもつらかったと思う。


奥さんは、あいつの本性がわかって良かったって……そう言ってくれたらしい。


私のことも、名前も知りたくないって。


そりゃ、そうだよね。


本当に……ごめんなさい。


すぐにあいつの元を離れ、子どもを連れて実家に戻って、奥さんは無事に出産した。


以前から、ずっと奥さんのことを陰ながら想ってくれていた人がいたらしく、その人が奥さんを支えてくれ……2人は結ばれて結婚。


新しい家族として4人で幸せに暮らしている。


それは、私にとっても唯一の救いだった。


あいつのことは……何も知らない。


命だけは捨てずに、自分の人生を最後まで生きてほしい。


それだけ……だ。
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