あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

慶都と雪都、そして私の幸せ

夜空を彩る無数の花火達。


今夜は風も弱く、空気も澄んで、花火がとても美しく見える。


九条と一堂の親達は、雪都と花火が見られるって朝からずっとごきげんだ。


父も久しぶりに浴衣を着て、雪都に寄り添うように空を見上げてる。


「わぁ、花火、綺麗だなぁ」


小学生になった雪都の笑顔はまだまだ可愛い。


どんどん慶都さんに似てきて、ラブレターをもらったり、すでにもうかなり女の子に人気がある。


この子はいつか……九条グループの社長になる。


少し前に社長になった慶都さんの跡を継いで、未来のグループを背負っていくんだ。


まだまだ先の話だけど、でもきっとあっという間なんだろうな。


今は雪都の成長が、私の元気の源。


もちろん、慶都さんがいてくれるからこそなんだけどね。


「久しぶりだな。彩葉とこうして花火を見るのは」


「慶都さんの浴衣姿をまた見ることができて幸せです。とても似合ってますよ」


「俺、あの時みたいにドキドキしてる。初めて君の浴衣姿を見た時、どうしようなく緊張したよ。本当に……とても美しかったから」
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