あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
お医者さんから、何よりもストレスの無い場所での静養が大事だと言われ、母は今、実家でのんびり暮らしてる。


かなりの田舎だけど、父も私も、何とか時間を作ってたまに顔を見にいくようにしてる。


雪都を連れて行くと喜んでくれて、少しずつ笑顔も出るようになったけど……


でも、まだまだ全てが解決してるわけではなさそうで。


心がつらくなることがあると体にも障るし、たぶんもう一堂家には戻らないだろうと思う。


優しい優しい母。


本当の私の父に浮気をされて、かなりひどい仕打ちを受けても、私には何も言わなかったし、麗華のことだって1度も悪く言ったことがなかった。


優し過ぎて、いつも1人で抱え込んで……きっと、人知れず涙を流していたんだよね。


ごめんね、何もしてあげられなくて。


本当はずっと側にいてあげたいけど、私がいたらまた母は「頑張って」しまうから。
< 35 / 235 >

この作品をシェア

pagetop