あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
麗華との壁は、母だけじゃなく、私との間にもあった。


その壁はなかなか崩れなくて、どうしようもなく厚かった。


新しい母親と姉が気に入らないのはわかる、でも、麗華の言葉はいつも私達の心を深くえぐった。


私の2歳下、23歳、172cmでくっきりした目鼻立ちの美人。


ブラウンのロングの巻き髪で、メイクもバッチリ。


その美しい顔立ちとスタイルを活かして雑誌モデルとして活躍している。


男性関係もかなり派手で、特定の彼氏はいないみたいだったけど、いつも誰かの影がチラついていた。


そんな娘を心配した父が、麗華と九条さんのお見合いを提案し、九条社長も賛成して実現した。


麗華はあっさりお見合いを受け入れたから、私は2人が相思相愛なんだと……ずっと思ってた。


だから……


あの夜のことが本気だったのか嘘だったのか、九条さんの気持ちが結局今もわからないままで。
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