あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「ようやく日本に戻ることができて、いろいろ仕事の面で助けて頂いたお礼を言いたくて、すぐに一堂社長に会いにいった。その時に聞いたんだ」


「そうだったんですか……」


うなづく九条さん。


「社長に『ご家族はお元気ですか?』と尋ねたら、君のことも話してくれた。もちろんプライベートなことだからあまり詳しくは聞けなかったが、子どものことを聞いた時、どうしようもなく胸が痛くなった。君が他の男性と結婚して幸せになったんだと思うと……」


「九条さん……」


「海外では、プロジェクトチームに入って様々なことをたくさん経験した。初めての挑戦ばかりで、心を折られるような思いもした。でも、それでもずっと頑張ってこれたのは、いつか必ず君の笑顔が見られると信じていたからだ」


私の笑顔?


こんなにも魅力的で素敵なあなたから、どんどん飛び出してくる嘘みたいな甘い言葉達。


ねえ、それは本当に全て真実なの?
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