あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「彩葉、それは違う。俺は、麗華ちゃんとは何もない。見合いの話も父にはすぐに断っていた。でも、なかなか受け入れてもらえず。話がどんどん先に進んでいくのが……正直、怖かった」


そ、そんな……本当に?


お見合いを断っていたなんて、そんなこと全然知らなかった。


九条家、一堂家、お互いの家柄を考えると、そう簡単に取り消すことができなかったのかも知れないけど……


「いつもめんどくさいって必ず断っていた麗華が、九条さんとのお話は受けたって聞いて、2人はお互いに想い合っていたんだと……そう思っていました」


だから、私は、麗華のために九条さんを諦めようと必死だった。


お見合いの話がきて、麗華はいったいどういう気持ちだったんだろう……


たくさんボーイフレンドがいても、九条さんとの話を受けたのはなぜ?


いつも近くにいた姉妹なのに、私はそんなこともわからずにいたんだ。
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