あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
丁寧な話し方なんだけど、言ってることはかなり強引。


「あの、どういうことでしょうか?」


とにかく冷静を心掛けて質問した。


「言葉通りです」


「藤間さん、意味がわからないんですが……」


「藤間フーズという会社を営む私の父と、慶都さんのお父様は、仕事の関係で昔から仲が良いんです」


藤間フーズといえば食品関係のかなり大手だ。


身につけているものは高そうな物ばかりだし、お上品でおしとやかな雰囲気だから、どこかのお嬢様なんだと想像はできたけど……


「私は藤間フーズの一人娘として、ずっと以前から慶都さんと仲良くしていただいてました」


仲良くって……いったいどういう関係なの?


「つまり、私は慶都さんのことが好きなんです」


えっ、す、好き!?


ちょっと、そんな大切なことを私にカミングアウトされても困るよ。


私、それを聞いてどんな顔すればいいの?
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