あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「やはり大事でしょ? ご先祖さまから代々受け継がれ、今に至る藤間家、一堂家の地位。その道筋は、とても険く、一筋縄ではいかなかったでしょう。戦乱の時代もくぐり抜け、いくつもの困難に打ち勝って今に至っているんですよ。そんな時代背景や、いろんな環境が重なり合いできた道です。それを大切にしないとバチが当たります」


は、発想が壮大過ぎて着いていけない。


私と同じくらいの年齢で、こんなにもロマンチストな人、初めて出会ったかも知れない。


だけど、自分にはない感覚に新鮮さも感じた。


「す、素敵ですね。確かにそれは大切なことだと思います。でも、それが全てではないというか、今生きている私達の1人1人の個性や考え方……それも大切じゃないでしょうか?」


慶都さんも、身分なんて関係ないって言ってくれたから……


「そうですね。ですが、私はお父様が大切にしている藤間フーズを守りたいんです。慶都さんと結婚したら、九条グループはもちろんですが、藤間フーズのこともキチンと考えていただくつもりです」
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