あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
そんな縁があって、私は九条さんとはたまに顔を合わせる機会があった。


でもまさか、そこまで親しいわけじゃなかった九条さんに突然出会って、こんな風に部屋にまで入り込むことになるなんて思ってもみなかったけど……


仕事の悩みを聞いてもらってるうちに、私は何だか不思議と温かい安心感に包まれていった。


この空間に2人きり、私は話せば話すほど、もっと深く九条さんを知りたくなった。


知りたくて知りたくて……仕方なくなった。


だって、私は……


ずっと前から九条さんのことが好きだったから。


当然、片思いだと思ってた。


私だけの一方通行の想いだと。


なのに、今まで普通に話していたはずの私達は、ハッキリと目を目を合わせた瞬間に何かを感じ合った。


そして、それはまるで当たり前のように始まった。


熱い抱擁とキス、離れることなく絡み合う体と体。


昔から憧れていた九条さんへの気持ちを抑えることなんてできない。


これがどういうことなのかを考える余裕もなく、私は自然に体を預けてしまった。
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