あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
雪都は、さっきから理久先生に遊んでもらってる。


金魚すくいで楽しそうに盛り上がってる我が子の姿を見るとやっぱり嬉しくなる。


理久先生は子どもの扱いがとても上手いから、みんなに懐かれてるけど、特に雪都は理久先生が大好きなんだ。


「ん?」


その時、賑やかだった部屋の空気が一瞬にして変わった気がした。


急に、部屋中が華やかでキラキラした雰囲気に包まれ、ある男性の出現にお母さんや先生達の視線がその一点に釘付けになった。


空気を一変させたのは…慶都さんだった。


ちょっと待って、どうして?


どうして慶都さんがここにいるの?


私は、あまりの驚きに自分の立場も忘れて、その場で呆然としてしまった。


慶都さんは、入口に立つ案内役の先生に自分の名前を言ってから部屋を見渡した。
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